英語をはじめ、語学の習得に一番近道として有名な”その言語が第一言語の恋人をつくる”という通説があります。きいたことがある人も多いかと思います。
しかしこれ、ケースによっては決して語学の習得の近道とはいえません。
これは「留学に行ったら1年住んでるだけで英語を話せるようになる!」と同じくらいの不安定な理論です。
キチンとした目標を持っていないと恋人ができただけでは決して英語が話せるようになんてならないということです。
本記事では、僕が実際の知人二人の具体例も含めて説明していきます。
◎英語を話せる恋人を作ることで英語は伸びるのか知りたい。
英語習得=英語を話せる恋人ではない
もちろん、言語の違う恋人を作ることが悪いことではありません。悪いのは、”言語の取得”を目的としている場合です。
それを目的にしていると、まずうまくいきません。理由はまぁ色々ありますが、一番は思っているよりも確実に伸びないからです。
ではなぜなのか?それを下に書いていきます。
理由1:理解されてしまう
奇妙な表現を使っている場合や通常では理解に苦しむ言い方をしている場合でも、恋人はあなたの言っていることを理解してくれます。
これは母国語でも同じですね。
「ここのアレをそこのやつ使っていい感じにしといて。」
みたいな言い方でも、長い時間を共有している恋人や夫婦、友達の場合は伝わってしまうのがコミュニケーションです。
「言わんとしてることはわかる。」ってやつです。
結局これが続いてしまうと、「言いたいことは理解してくれるし、いいかっ!」という思考に陥ってしまうことになるでしょう。
例えば、
「Honey, can you do me a favor? I want you to open this bottle cuz it’s too tight.」
(ちょっとお願いがあるんだけど、この缶堅いから開けてくんない?)
という言い方が、
「Open this please.」
(開けて)
というイメージです。
カップルの仲としてはどうこう言いませんが、英語学習という面でどちらが勉強になるかは明らかですね。
これは極端な例ですが、そういう風になっているカップルを見たことがあります。”正しい中にも礼儀あり”です。その辺の線引きがあいまいになると、ありえる話ということです。
理由2:難しい内容のことを任してしまう
これも原因の1つです。
あなたが英語ネイティブの恋人と付き合っていたとしましょう。そして仮に車の保険を契約するとなったとします。
「なんか難しそうだから契約してきて、あなたなら最低限の補償はわかっているだろうし。」
となってしまいがちなんです。
自分よりも円滑に物事を進めてくれるパートナーがいると、ついつい甘えてしまいがちになります。そうなると自然に複雑なことを任してしまうので、言語面で困難な局面になることが減ってしまうのです。
つまり、「保険のことは詳しくはわからないけど同行して話をきこう!」や「俺/私も運転するわけだからついていく!」という姿勢がすごく大切ということです。
誇るわけでは無いですが、
・飛行機手配のミスで、航空会社への内容変更の電話
・車の保険の契約、車の整備や車検、売却
・レンタカー会社のミスの多重請求での返金をもとめる電話
などなど、もちろん全部自分でやってます。
これらをやらなくなると、
「複雑で大変だったけれども、なんとか自分の力でできた!」
という成功体験が確実に減ります。
成功体験が減れば、学習のモチベーションも下がってしまいます。自信をつけるというのは言語習得の上で大事な要素の一つです。
リスニングは伸びる?
上記の項目ではデメリットをつらつらと書いていきましたが、当然デメリットだけではありません。
外国人の恋人ができると”リスニング力は”向上します。コミュニケーションをとるうえで必ず会話しますよね。ずっと英語を聞くことになるわけです。
ただここでも落とし穴があって、あくまで聞き続けているのは”その人の英語だけ”ということです。
どの言語だって同じですが、その人の”クセ”や”しゃべり方”は存在します。そればっかりに耳が慣れてしまうということが起こってしまうわけです。
留学中にずっと話をしていた友達、ルームメイトなどの英語やアクセントが聞こえやすくなった経験がある方も多いと思います。
それは耳がその人の話し方に慣れているからなんですね。
具体例
僕の知人2人の例をざっくりと紹介します。
知人A
その女の子はフィジーで半年の留学経験があったが、なんとなくは英語が話せるがまだスラスラと喋るには時間がかかるレベル。
カナダ留学前に日本でカナダ人の彼氏ができて一緒に留学を兼ねてカナダに。しかし彼は彼女の言っていることをなんとなくで察して理解をしてしまう。
それでいて彼女の表現も可愛く感じてしまっているため、もちろんそれを正さない。結果、彼女の英語力はカナダ留学の半年経過後も大きな変化は見られなかった。
知人B
その子もオーストラリア留学中に、オーストラリア人の彼氏ができた。
もちろん出会う以前にもオーストラリアで生活をしていたため英語を話すことは可能。しかし、レンタカーの予約や、大家さんとの家賃の話などのめんどくさいこと任してしまうことが多くなってしまった。
そういった苦労を経験しなくなったため楽にはなったが、同時にやらなくなってしまった自分に少しの怠慢も感じている。しかし、そういった手続き系はどうしても任してしまう。
無駄な憧れはいらない
「外国人の彼女ができたらもっと話せたのになぁ~。」
とか
「あの子は外国人にモテて羨ましいなぁ~。」
とか思っていた人たちへ
黙って勉強して、
色々な人と交流しろ
ということですね。よくわからない嫉妬をする前に行動しましょう。そんなこと思っている間は恋人ができた所であなたの英語は伸びません。
まとめ
「恋人ができたからこの人と一緒にいて話していれば、気づけばネイティブ並みの英語力っ♪」
みたいなお花畑思考だとあなたの英語の上達は止まります。
逆に言うと、英語ネイティブの恋人がいても色々な人と交流を持ち、しっかりと勉強を続けている場合だと確実に英語は伸びるということです。
すべて通ずることですが、楽して得られるものなんてありません。
ステキな出会いや、めぐり逢いもあると思います。その上で幻想に惑わされずに、しっかりと努力を続けていってください!