英語が話されているワーホリ先の国の一つ『アイルランド』。
ビザ申請は抽選方式で、2017年頃までは毎年の定員400名で定員割れを起こしているような状況でした。
しかし次第に注目度と人気度が上がっていき、2018年頃からは抽選に落ちてしまう人も増えるようになりました。
そんな中で2020年度より定員の増員が決定、400名→800名と枠が倍に増えました!
「やったぜ。」
嬉しいニュースではありますね。
ただ、”申請する”という点において、このアイルランドワーホリは他の英語国(カナダ・オーストラリア・ニュージーランド)と比べて格段にめんどくさく時間がかかります。
※イギリスは正式にはワーホリじゃないため除外
- 「申請フォーム入力して金払って終わり。」
- 「とりあえず大使館行けばOK」
- 「メール待つだけ」
こういったことは一切ありません。
他の国が超簡単とは言いませんが、準備する書類などの多さも含めて結構肩が凝りますね。
抽選前の提出から、抽選当選後のビザ申請段階まで、全てを段階別に説明していきます。
この記事を読めば、アイルランドに行くまでにしないといけないこと全てを理解することができます。
ちょっとした裏情報とかも載せているので参考にしてください。
◎アイルランドワーホリ検討中
◎渡航前準備と渡航後にやることが知りたい。
基本情報
【アイルランド共和国】
公用語 | 英語・アイルランド語 | 面積 | 約7万km² |
首都 | ダブリン | 通貨 | ユーロ(€) |
人口 | 約460万人 | 地域 | ヨーロッパ |
【ワーホリ関連情報】
定員 | 800名/1年 |
選定方式 | 年2回の抽選(1月・7月) |
最低時給 | €9.80~(約1,300円) |
就労制限 | 39時間/週 |
世界中で有名な『ギネスビール』を筆頭にウィスキーなども非常に有名な国です。『Irish Pub/Bar』も本当に世界中で見ますよね、それくらいお酒との関わりが密な国。
英語のベースもイギリスのいわゆる『British English』寄りなので、アメリカ英語とは少し違います。その上でアイルランド訛りも存在するため、『Irish English』なんて呼ばれたりしますね。
ちなみに国土と人口ですが、わかりやすいイメージに例えると
くらいの人口密度です。聞くだけで
「人少なっ!」
って思いますよね。人口密度はそこまで重要じゃないですが、
というのがワーホリでの共通ルール。例外なくアイルランドでの仕事探しは難航します。頭に入れておいてください。
Facebookなどの仕事探しサイトにこういう投稿があるのもよく見ます。”仕事は簡単には見つからない”その前提をキチンと知っておきましょう。
ビザ取得(抽選)
基本情報の項目にも書きましたが、アイルランドワーホリビザの申請は抽選方式です。【2020年現在】
申請受付期間に申請書を添付したEメールを所定のメールアドレスに送信することで、抽選に参加できます。この段階ではそれ以外に何もすることはありません。
申請は年に2回(1月と7月)が最近の傾向ですが、正確な申請時期はアイルランド大使館公式HPで更新されます。常にチェックするように心がけしょう。
アイルランド大使館:https://www.dfa.ie/irish-embassy/japan/our-services/visas/working-holiday-programme/
まずは申請書をダウンロードしましょう。こちらからダウンロードできます。
申請書はPDFファイルになっているためPDFを編集する必要があります。場合によってはPDF編集ソフトが必要になるので、その場合はコチラの記事を参考にしてください。
PDF編集の無料ソフト10選:https://pdf.wondershare.jp/ranking/pdf-editor-top-10.html
申請書を見てもらえればわかりますが、4枚目、5枚には日本語翻訳が付いています。そちらを参考にして入力すればOKです。非常にありがたいですね。
ちなみにこの段階では写真の添付は不要です。
16の”ワーキング・ホリデーでの滞在計画案”の僕が使った分を載せておきます。これのおかげとは言いませんが、この時にビザの申請は通ることができました。
参考にでもしてください。
I would like to experience European atmosphere because I have never been to Europe. I have already used working holiday program in Canada, New Zealand and Australia. Ireland must be different from those countries. And I would like to explore why Ireland is getting famous to Japanese tourists. That is why I am planning to work as a tour guide in Ireland too if I could. I basically stayed in smaller city where has nature. Then I saw some pictures of Ireland and scenery is beautiful. So I will probably stay in smaller cities and travel around there. |
もし自分が書いた文の文字数をチェックしたい場合はコチラがオススメ。スペルチェックも同時にしてくれます。
Word Counter:https://wordcounter.io/
完成したら忘れず添付し、メールを送信します。送り先はコチラ↓
workingholiday.ie.jp@vfshelpline.com
件名や内容に関しては特に指定はありません。ただ空白で送るのはすこし不格好なので、メールの例文を載せておきます。
【件名】 | 名前 / Working Holiday application form |
【本文】 | To Whom it May Concern,My name is 名前. Please see the attached Working Holiday application form.
Sincerely, 名前 <ファイル添付を忘れずに!> |
メール送信後の返信メールに結果発表の日が送られてくるので、あとはそれを待ちましょう。大体申請締め切り日から半月くらいが目安です。
抽選通過後の必要書類準備
無事抽選に通り、「よし!!」と思ったのは束の間、必要書類集めが始まります。
以下が必要な書類です。
- 申請許可の E-mail
- 申請書と写真 2 枚
- パスポート(原本)
- パスポートのコピー
- 履歴書(英文)
- 卒業証明書(英文原本)
- 残高証明書(英文原本)
- 医療保険証券又は付保証明
- 航空券(原本と A4 コピー1枚)
- 補足申請フォーム、申請必要書類チェックシート
- 申請料振込控え
- 返信用レターパック520
1.申請許可E-mail
申請許可の E-mail を出力したものです。抽選通過しましたという意味のメールがこんな感じで届きます。
これを印刷します。メール文面にも書いてあるのでわかりやすいですね。
2.申請書と写真2枚
申請書は”ビザの申請の際にメールに添付したもの”を指します。僕はココを勘違いして書類の再送になりました。そんな人他にいないと思いますが、間違えないように。
↑これのことですね。
記入済みの物を出力し、写真を添付します。
写真は6ヶ月以内に撮影したものを用意しましょう。 2枚目の写真はそのまま郵送してください。
証明写真って今機械で撮ると800円もしてバカにならないですよね。場所も探さないといけないし結構大変、しかも写真は余るし…。
朗報!スマホで写真を撮って、それをコンビニで証明写真として印刷するサービスがあります。それだとたった200円。
↓の公式サイトから要チェックです。
コンビニ証明写真:https://pic-chan.net/c/
申請費や書類集め費用を抑えるための工夫のひとつです。
3.パスポート原本
原本を送る必要があります。
残存期間に注意しましょう。アイルランドを出国する時点で、有効期間は6ヶ月以上必要です。(6ヶ月+ 滞在期間)
重要書類のパスポートの郵送があるので、書類を送る際にレターパックの利用を推奨してます。普通郵便で安く送ることはできますが、追跡不可なのであまりにリスクが高いです。
4.パスポートのコピー
顔写真のページと、スタンプが押印されている全ページのコピーが必要です。人によっては結構な枚数になりますが、間違えないようにしましょう。
「原本送るんだからそっちでやれよ。」
というのは禁句です。
5.履歴書(英文)
日本とは違い、A4形式のワードソフトで作成するタイプのものです。
はじめてのワーホリでアイルランドなどで英文履歴書を作ったことない場合は0からなので少し大変。
どっちにしろ今後作成する必要はあるので勉強だと思ってつくりましょう。作り方を解説しているサイトを貼っておきますので参考に。
留学生用英文履歴書の書き方:https://www.iccworld.co.jp/academy/applicationservice/cv
ちなみに、僕は現地で応募する職種によってスキル欄や経歴欄を少し変えてます。そんなこと、この段階でしてられませんよね。
なのでここではフォームに従って、職歴・学歴・スキルなどを書く形式ばった物の作成にしとくのも手です。どうせ後から手を加える必要がありますからね。
6.卒業証明書(英文原本)
最終学歴の卒業証明書の英文形式の物。
大学、専門学校、短大、高校、様々あると思いますが、問い合わせれば対応してくれます。僕は大学でしたが、通常の卒業証明書発行と違い、英文の場合は直接大学の学生課に行く必要がありました。
そういった手間がかかるケースがあるので、先に問い合わせをしておきましょう。
受け取りも即日発効じゃないケースがほとんどです。1週間~10日は準備期間をみましょう。
ちなみに現在就学中の方は、在籍証明書でも可能です。
7.残高証明書(英文原本)
個人資金として50万円以上の金額を示す本人名義の残高証明書が必要です。
これはあくまで、”渡航後、当面の生活資金はありますよ。”という証明なので、通貨は円(JPY)表記のみの物で問題ありません。
各銀行窓口、場合によっては電話で受付可能。どの銀行でも発行までに約1週間はかかります、即日発効じゃないので注意しましょう。
ちなみに、残高証明書の発行手数料は銀行によって違います。
【手数料例】
三菱UFJ銀行 | 770円 |
ゆうちょ銀行 | 520円 |
楽天品行 | 524円 |
複数の銀行を使っている場合は、知っておくと便利。楽天銀行などのネットバンクは、電話一本で申請できるのでそれも楽チンです。
ただ英文表記方法を一字一句口頭で確認するため、時間はかかります。それが煩わしいと思う方は窓口に行き、所定の申請書に自分で書いた方がいいかもしれません。
8.医療保険証券又は付保証明
英文原本とA4コピー1枚が必要です。僕はオンラインで申請できるタイプの保険にして添付された証明書2枚で提出しましたが、問題ありませんでした。(原本というものが無かった。)
しっかりと滞在期間をカバーしている証明が必要です。ちなみに、クレジットカードの付帯保険の証明書じゃダメでした。別途、海外保険に加入の必要があります。
海外保険はどうしても高いですが、全力で安いものを探した結果『tabiho(たびほ)』にたどり着きました。
自分で保険の内容をカスタマイズできるため、補償レベルを下げることで保険料を抑えることが可能です。僕が契約したのは自分でカスタマイズし、【52,000円/5ヶ月】のタイプでした。他の比べたらかなり安いです。
補償内容と保険料のコスパは最強です。
t@biho公式:https://tabiho.jp/tb/
9.航空券(原本と A4 コピー1枚)
片道航空券又は往復航空券、E-チケットや予約確認書でも大丈夫です。
飛行機を予約し、その時の返ってくるメールに添付されている確認書などを印刷しましょう。その場合は原本という概念はありませんが、僕は一応2部印刷して郵送しました。
そういった声もあるでしょう。僕自身もそうでした。
そういった人が使える”一時的に航空券を発行できるサービス”があります。手数料はかかりますが、こういった時に大活躍間違いなし!僕もビザ申請の際にはこのサービスを使いました。
興味ある方は覗いてみてください。
オススメの記事 :【簡単5分!】ダミーチケットの作り方・買い方
10.補足申請フォーム、申請必要書類チェックシート
1.申請許可の E-mailで届いたメールの1つ目に添付されている『申請案内』の3ページ目に付いてます。
添付ファイル3つ目に記入例があるのでそれに従って記入しましょう。
また、添付ファイルの二個目に『申請必要書類チェックシート』というものがあります。
ここに、申請に必要な書類がまとめて書いてあり、それをチェックするシートになってます。これも郵送の際に一緒に送る必要があるので印刷しておきましょう。
11.申請料振込控え
申請料の13,800円を振り込み、その証明となるものを送ります。
ちなみに2019年までは7,100円でしたが、2020年以降から値上げしました。今後も値上がりする可能性はありますのでご参考までに。
銀行振込控え(レシート)および振込完了を確認できるウェブページは、以下の情報が記載されている必要があります。
- フルネーム(申請用紙に記載した名前)
- 振込日
- 振込金額
- 金融機関名
僕は楽天銀行から振り込み、振込完了ページを印刷しました。上記の情報は記載されていたので、問題はありませんでした。
12.返信用レターパック 520
宛先にご自身の住所、氏名記載の『レターパックプラス520』を用意しましょう。
郵便局にて購入できます。金券ショップやリユースショップ(大黒屋やセカンドストリートなど)で、少し安く購入することも可能なので、立ち寄る機会があるのであればそっちの方がお得です。
書類の送り先と送り方
〒105-0021
京都港区東新橋 2-3-14 エディフィチオトーコー4F合同会社 VFS サービシズ・ジャパン
アイルランドワーキング・ホリデープログラム係
渡航前に必要『GNIB登録』について
必要書類の郵送も終わり、ビザが届くのを待つだけ、あるいは既に届いて渡航の日を待つだけ。
そんな状態でもやらないといけないことがあります。それはGNIB登録(外国人登録)です。
アイルランドはワーホリのビザで入国しているのにもかかわらず、この登録をしないと90日以上の滞在が認められません。しかもこれが無いと仕事探しは出来ないといっても過言ではないため、すぐにでも取る必要があります。
前までは”登録所に朝から行って並ぶ”という方法でしたが、最近はオンライン予約に代わりました。
そう思ったあなた、残念ながら
その予約が取れないんです。
どういう枠数なのか分かりませんが、世界各国からくる人を担っていることもあり超人気です。
しかも2か月先の予約も取れない、なんてことはザラです。すこしでも早く済ませるためには、渡航前にやらないといけません。
GNIBの予約するために
公式サイトはコチラです。
GNIB登録予約公式:https://burghquayregistrationoffice.inis.gov.ie/
ここから Make Appoint を選び、次に進んで行きます。
こんな感じに進んで行きます。適当な時間にやっても二枚の下の様に、「No appointment are currently available.(選択できる予約はありません)」というメッセージが表示されてしまいます。
そこで知っておくべきことは【予約枠の更新が10時と14時半で行われる】ということ。
日本とアイルランドの時差は通常で8時間、サマータイムで9時間です。日本の方が時間は進んでいる為、日本時間-8 or 9時間で計算しましょう。
↓のサイトでアイルランドの現在時間をチェックしながらでもいいですね
世界時計:https://www.time-j.net/WorldTime/Country/IE
その時間まで申請画面で待機し、ひたすら Find Available Appointment を押すを繰り返しましょう。
時間よりも3,4分ズレることが多いですが、それくらいになるとバッと表示されます。(焦ってたためスクショは撮れませんでした。)
希望時間を取れることの方が稀です。マシな予約時間をとりあえず選び、アポを取りましょう。成功すると、予約が取れた旨の画面が表示され、メールが届きます。
こんな感じですね。これは僕が予約したときに届いたメールです。
目安
GNIB登録のオンライン予約は、10週間先までできます。なので、
10/15+2,3日-70日=8/8前後
登録に必要なもの
やっと予約が取れて、気分も晴れ晴れ。ここで、現地に登録に行った際に必要なものを列記します。
- パスポート
- 携帯(予約時に送られてくるメール)
- ワーホリビザ
- クレジットカード(€300)
- ボールペン
GNIBの登録料、なんと300ユーロ(約4万円)もします。必ずやらなきゃいけない行程なので仕方ないですが、お財布には優しくありませんね。
オフィスへ行くと、書類に記入させらることがあります。ボールペンは忘れずに持っていきましょう。
申請は2時間~2時間半で終わります。その後、記入した住所にカードが届くような流れです。
PPSナンバーの取得
GNIB登録後に必要なのが、『PPSナンバー』の取得です。日本で簡単に例えるならマイナンバーみたいなものです。
このナンバーを持っていないと、仕事をすることができません。
これは現地に行き、GNIB登録後に行う流れなので、日本にいる間にできる事は特にありません。
やり方を詳しく解説している人がいたので、載せておきます。参考にしてください。
PPSナンバーの申請:https://wanderlust-irl.com/ppsn#toc2
裏情報
アイルランドワーホリにはこんな特徴があります。
申請時期 | 渡航できる時期 | |
第1回申請 | 1月頃 | 3月中旬~9月末 |
第2回申請 | 7月頃 | 10月頭~翌年の3月中旬 |
他の国と違い、渡航時期に制限があります。ではここで実際に届いたワーホリビザを見てみましょう。
一行目の終わりに注目。
「Entry to Ireland must be within 12 months of the date of issue below.」つまり、「発行日から12ヶ月以内に必ず入国してください」ということが書いてあります。
どこを探しても3月~9月、10月~3月に入国してください、とは書いていません。つまりこれは日本側が設けたルールに過ぎないという事です。
大使館に電話で確認も取りましたが、発行日から1年以内であれば入国できるという事でした。
大きい国じゃないので、”一度に多くの留学生が行くのを制限する”おそらくそれが目的なんでしょう。お得情報として頭に入れておいてください。
大使館の対応
これは僕自身の経験に基づき、僕自身が感じたことです。1意見として考えてください。ワーホリビザの申請を通して、メールで電話で大使館の人に対応してもらったことは数回ありますが、
と思ったのが本音です。質問に対する受け答えが曖昧だったり、自信のない返答だったりと、不安感を覚えました。
また、決定的な事項の一つとして、
↓
あ、ごめんなさい。やっぱりダメです。
ということが僕自身の身に起きました。
国と国をつなぐ仕事をしている人の仕事のやり方とは思えなかったです。その時に起きたことの紹介は別記事にまとめていますので、気になる方は見てみてください。
定員が増えた2020年以前の出来事なので、今後はこういったことが起こらないことを願います。
合わせて読みたい :【アイルランドワーホリ】キャンセル待ち通過連絡からの転落
総費用とまとめ
アイルランドのワーホリ申請をかみ砕いて解説しました。結構大変なことは理解してもらえたと思います。費用も他の国よりも多くかかります。
【滞在1年予定での初期費用】
申請料 | 13,800円 |
諸々の必要書類発行料 | 約2,800円 |
航空券 | 約80,000円 |
保険料 | 約120,000円 |
GNIB登録料 | 約30,000円 |
合計 | 約248,000円 |
一年滞在想定だと、約25万円は確実にかかります。+αで最初の滞在地の敷金(ボンド)や家賃の支払いなどもありますからね。
最初の出費は大きめです。
ワーホリ人気国との違いは、こういうところにもでてきます。しかし、「アイルランドにワーホリに行ってきた。」というのが圧倒的に少ないのも事実。
貴重な体験ができるワーホリだからこそ、珍しい国に行くのも良いですよね!行くまでは大変ですが、それだけの価値はあります。
その一方で、”ビザの受け入れ定員が増えた”→”仕事を見つける難易度はさらに上がった”、と言い換えることもできます。こういったことも含めて、珍しい国という事を知っておきましょう。
しっかりと準備をして、充実したワーホリにしてください。
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